September 28, 2003

引き売りの焼売

昔話です。昭和30年前後、当時住んでいた足立区梅田には色々な食べ物の行商というか引き売りがきていた。今でも不思議に思うのが、僕らの遊び場だった御稲荷さんの境内に来ていた焼売の引き売りです。それも自転車にリアカーという引き売りの定番スタイルでなく、自転車の荷台に蒸し器を積んで、暖かい焼売を売っていた。あの熱源は何だったのだろうか。おそらくは豆炭か練炭コンロを使っていたのでしょうね、それにしてもあの蒸し器は良くできていたなぁ。それで、焼売一つの値段ですが確か一個20円くらいしたと思います。当時、コロッケが一つ5円の時代で、掛け蕎麦一杯が25円くらいですから、一個20円の焼売は相当高級な食べ物です。焼売の引き売りのおじさんは大人だけを相手に商売したのでなく、子供も相手にしていた。ポケットの中には良くてせいぜい5円玉か10円玉しかない子供には、一つの焼売を半分に切って売っていた。焼売半分は日本が貧乏な時代のご馳走だった。

投稿者 iGa : September 28, 2003 01:54 PM
コメント