February 22, 2007

太田酒造「弁天娘」@鳥取ー若桜

鳥取に行ったときに「かにすき」のお供に指名されたのは、
鳥取は若桜町のお酒「弁天娘」をぬる燗で、だったのですが、
そのぬる燗が忘れられず、若桜町の太田酒造さんまで足を運びました。

写真は300ml入りの小瓶。
おみやげに最適です。

鳥取のお酒というとどうもマイナーな感じがありますが
花崗岩の岩山を背景にしていますから、水が良いのは間違いなかろう。
雪も多いから水量も豊富。
良い水が沢山あって良いお米がとれないわけがない。
良いお酒が出来ないわけがない。
そして、太田酒造の女将さんが言われるように
おいしいお酒を造るお米と、食べておいしいお米は違うと言うこと。
ですから、米所だと言っておいしいお酒が出来るわけではない。

私は生まれが新潟でして、新潟のお酒はおいしいと思っていますが
このところの日本酒ブームでは、良い日本酒は冷やで飲む風潮があります。
確かに、あっさり、さらりとした舌触りには格別のものがありますが
よくよく考えますと、私の子供の頃は、大人たちの酒盛りでは
日本酒はお燗で飲むのが普通でした。
大人たちに交じって、おちょこにつがれた温いお酒をぺろりとなめていたのも
すでに時効でしょうか。

この弁天娘はぬる燗がおすすめです。
「かにすき」のお供もぬる燗で、その絶妙な温度が舌をやさしく包み込みました。
日本酒はやはりぬる燗、それも絶妙な温度のぬる燗に限る、と、子供の頃の舌に残った記憶を蘇らせながら、弁天娘を口に運びました。

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太田酒造は酒造りをやめていた先代から当代に10年のブランクの後再開された酒造場です。
その時から、酒米を自分のところでつくるということをはじめました。
ホームページにその様子が紹介されています。

まるごと・べんてんむすめ(太田酒造HP)

店主太田さんのこだわりがホームページのあちこちに感じます。
それが、端正なお酒を生み育てているのでしょう。

太田酒造のある鳥取県八頭郡若桜町は、なかなか素敵なたたずまいの街です。

この写真は、太田酒造の前に建つ家。
ぴりりとした、一本筋の通った、品のようなものがありますよね。
街のあちこちに、そうした心地よい品が漂っています。
街の顔はそこに住む人の顔でもあります。
「弁天娘」にひそむ品の良さは、そういうところから育まれているに違いないと感じました。

投稿者 furu : 11:03 AM | コメント (0)