September 30, 2003

ドミニカという店

20030930056gz.jpg
車一台通れない路地にある。
餃子とアルコオルだけの店、店内に品書の類は一切ない。
高いとも安いとも聞く、旨いとも聞く、妖しいとも聞く、とにかく凄いのよと聞く。
地元古河の、予てから気をそそられていた一軒、餃子「ドミニカ」を訪ねた。

20030930057gz.jpg
客は私達夫婦だけだった。民芸調の店内は、看板の後のように殺風景で、暗い。
引っ越しの直前、といった雰囲気だ。
店に入るなり「何人前?」と聞かれた。「二人前」。私は面食らったが、夫がさらっと答える。
このやりとりはこの店のセオリーと、人に聞いたのが咄嗟に役に立ったのだ。
「どうも。近所の人に旨いから行ってみなって言われたモンで」ますますナイスな挨拶である。
テーブルには水差しと冷タンふたつ。醤油と酢とラー油。
穴蔵の中みたいに静かだ、と微かに有線放送の音が聴こえる。
チャゲ&飛鳥の古い甘い曲が流れている。緊張して耳を傾けていないと掻き消えてしまいそうな、
静けさとの間の微妙なバランスを保った見事なボリュウム調整。老舗のバーもかくやと感心する。
(写真の手前にいるのは私。困ったことなど何もなかったが、なぜだか困った表情をしている)
20030930058gz.jpg
厨房には業務用の縦型冷蔵庫がひとつ。ガステーブルがひとつ。
ステンレスが厨房の蛍光灯を冷たく反射している。
とうに定年を過ぎたと思われる御夫婦の、だんなさんが使う鉄板とへらのかち合う金属音、
おかみさんがばらばらと広げる新聞の日常音も、響く。
(写真左手前の茶色い部分が新聞を広げるおかみさんの頭、右奥のステンレスには、
餃子を焼くだんなさんの像がぼんやり映っていた)
20030930062gz.jpg
ややあって、餃子が運ばれてきた。
皮は厚めの小さめで、表面はたっぷりの油できっちり焼かれて香ばしい。
中はつるっ、もちっ、の歯ごたえで生地の香りもよく、あんもニンニクが効いてパンチがある。
見栄えのしない盛り付けではあるが、おいしい。
「皮は手作りなんですか?」と聞いてみた。おかみさんの顔は新聞の向こうで見えないが、
即座に「そーです」と、一本調子の答えが返ってきた。
一見で物珍しそうに質問を浴びせる客は、嫌われてもまあ仕方ないのだが、
ここで挫けてはBe-eaterの名折れだから、続けて質問する。
「ここって、何年くらいになるんですか?」
「ハア?」とおかみさんは新聞の壁から首を傾げて、声を高くした。慌てて聞き直す。
「こちらのお店は、何年くらい営業されているんですか?」
おかみさんは、「43年」と、事も無げに言った。
43年!私達は絶句した。御夫婦と街の年齢に応じて43年間変化し続けたと考えれば、
この店のあり方って、ひとつの完成形に限りなく近いのかもしれない、なんて思った。
此処は私達の知る最もミニマムな店と云えそうだ。
20030930063gz.jpg
餃子を食べ終えた私達は間を置かず店を出た。
わずか15分程の滞席だったが、客は他に入って来なかった。
路地を出たところで振り返ると、闇夜に小さな灯りが浮かんでいた。
「一杯飲むのにいい店だね。今度はそうしよう」と夫が言った。
なんだかふわふわした不思議な心持ちだ。
口にニンニクの香りが残っていなければ夢と思ってしまいそう。

餃子二人前のお値段は、500円。

投稿者 noz : 12:50 PM | コメント (2)

September 29, 2003

カレーショップ

京王線新宿駅の地下2階の到着ホームから、地下1階の改札口を抜けて小田急線の改札口に向かう時、妙に細い通を通る。なんとか小路という感じだ。
皆、急ぎ足でそこを通るのだが、その左手に[カレーショップC&C]がある。

いつも食欲をそそるカレーに匂いを、その小路に漂わせている。美味しそうなトッピング、カツ、ハンバーグ、コロッケなんぞをのせたメニューも美味しそうだ。

C&C

いつもとは云わないが、とにかく行列しているのを、ちょくちょく見る。
夜、反対の帰りのコース、小田急から京王線に向かう時、いつも行列だ。これから家路というサラリーマン諸氏が、このカレーショップの匂いにやられて行列をつくるのは、いかにもなのだ。
その光景は「ゴキブリホイホイ」に似ている。この細い導入部分と、我慢できないカレーの匂い、なかなかの仕掛けと見た。

私もゴキブリのようにふらふらと入って食したことがある。
こういうのって、食した後、必ず「まぁ、こんなもんだよな」という感想しかない。

http://www.gnavi.co.jp/c&c/

投稿者 AKi : 10:37 PM | コメント (3)

September 28, 2003

引き売りの焼売

昔話です。昭和30年前後、当時住んでいた足立区梅田には色々な食べ物の行商というか引き売りがきていた。今でも不思議に思うのが、僕らの遊び場だった御稲荷さんの境内に来ていた焼売の引き売りです。それも自転車にリアカーという引き売りの定番スタイルでなく、自転車の荷台に蒸し器を積んで、暖かい焼売を売っていた。あの熱源は何だったのだろうか。おそらくは豆炭か練炭コンロを使っていたのでしょうね、それにしてもあの蒸し器は良くできていたなぁ。それで、焼売一つの値段ですが確か一個20円くらいしたと思います。当時、コロッケが一つ5円の時代で、掛け蕎麦一杯が25円くらいですから、一個20円の焼売は相当高級な食べ物です。焼売の引き売りのおじさんは大人だけを相手に商売したのでなく、子供も相手にしていた。ポケットの中には良くてせいぜい5円玉か10円玉しかない子供には、一つの焼売を半分に切って売っていた。焼売半分は日本が貧乏な時代のご馳走だった。

投稿者 iGa : 01:54 PM | コメント (0)

September 27, 2003

那須のBeefeater

ちょくちょく、Be-h@us 022 の殻々工房の現場にでかけます。
最近、食事は野澤さんご推奨のここ、那須ショッピングセンター内の寿々木食堂であります。
とにかく、ただの定食屋という風情でありますが、うまくて多くて早くて安いと4拍子そろい、メニューは豊富50種類、というなかなかのお店であります。当節のファミレスなんぞ、およびもつきません。
----------
那須和牛ステーキ定食 1500円
那須和牛サイコロステーキ定食 1000円
牛ヒレカツ定食 1000円
豚カツ定食 750円
カツ丼 620円
馬刺定食 1000円
ビーフカレー 600円
カニクリームコロッケ定食 570円
野菜イタメ定食 550円
手作りコロッケ定食 550円
ざるそば 450円
-----------
その詳細なる研究レポートは野澤のお二人にまかせて、ただただ Beef eater になってしまうのは間違いなしであります。

saikoro.jpg

私は「牛ヒレカツ定食」1000円がお勧めですが、初心者は定番メニュウ「サイコロステーキ定食」1000円で、この那須牛の切り落としを使ったステーキから入門すべきでありましょう。
とにかく、肉屋直営店のなせる技なのであります。

牛ではありませんが、不思議なメニュウがあります。「鳥皮の卵とじ定食」、うーむ、ちょっとどんなものか食べたくなったでしょう。これがなかなかなのであります。
定食から150円ひいた単品もいただけます。もちろん、それでビールというのが幸せであります。

営業時間
8:00 から 20:00(夏期)
8:00 から 19:00(夏以外)
夏期無休・夏期以外は火曜定休

0287-76-4129
那須湯本/那須ショッピングセンター内

投稿者 AKi : 04:34 PM | コメント (2)

わしも厨房長なのだ。

Be-Q グルメサイトを目指すわけですね。
Be-QのQはQuest
ほいじゃま、MADCONNECTIONに書き込もうと思ってた食べ物系のネタはこちらに書きます。
わたしも厨房長ですが、日曜だけグルメを気取り厨房に立つのでなく、毎日三度三度、飯の支度をしています。ちなみに昨日の夕食の献立は「烏賊と里芋の煮付け」でした。

PS:実は和菓子も好きです。

投稿者 iGa : 11:27 AM | コメント (1)

まずは

英国のジンの銘柄に、Beefeater ってのがありますが、ここはそれ Be-eater であります。
この Movable Type って仕掛けの、複数の author の参加による blog を試してみましょう。

とにかく、食べ物の話だけ、blog の仕掛けによって、日本一のB級グルメサイトを目指します。

まだ、設置しただけの状態ですが、徐々に整えてまいりましょう。
[mine_b.gifmine] 君の最新のスキルも使っていただくようにようお願いいたしましょう。

投稿者 AKi : 12:00 AM | コメント (5)