January 06, 2004

緋扇貝

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 緋扇貝(ひおうぎがい)という貝を、天草のかたが年末に送ってくださった。
日頃お世話になっているのはうちの娘たちなのだが、逆にこんなすてきなものを送ってくださったのだ。
かくも美しい色の貝が日本にいることをぼくは知らなかった。しかも、それが旨い。
天草の名物なのだそうだが、こんなに情報にあふれた時代にも知られていない名物というものがあることがうれしい。小ぶりの帆立貝ほどの大きさで、形も帆立貝のようだが色は4種類。
オレンジ、黄色、茶色、そして紫。貝殻のヒンジの部分が非対称なのが、並んだ貝たちにリズムを生む。
 地元では酒とバターを入れて焼くときいたけれど、貝殻をきれいなまま残したいから焼くわけにはゆかない。そっとしておくと貝殻を開いているので、刃の反ったグレープフルーツナイフを貝殻の間に差し込み、2枚を離れさせずに中身を切り離して刺身にした。帆立貝より味も歯ごたえも繊細でうまい。つぎに貝殻を傷つけない調理法として、貝殻の間から酒を注いで蒸し器に並べる。それでもやはり、味を確かめたくて少しだけ焼いた。
 刺身がいちばんうまかったが、それは貝殻を無傷で残すことができた満足感のせいなのかもしれない。この貝は、半分は目で食べるものなのだろう。

投稿者 tam : January 6, 2004 12:48 PM
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