January 01, 2004

すき焼き

あけましておめでとうございます。
那須温泉神社の参道には出店もなく、ただ参詣する人の列が長く続いていた。子どもも年寄りも犬も、しゃりしゃりと雪を踏んで、おとなしく順番を待っている。私達はその列を追い越して売店でお守りだけ買って脇の方に据えてある小さな賽銭箱に小銭を投げて、はしょって初詣、ということにした。
帰り道、例の定食やに寄って那須牛の喰い染めをしよう、とサイコロステーキを頼むつもりがメニュウを見て急にすき焼きが食べたくなった。
家の台所には味醂も砂糖も置いてないし、醤油もせいぜい刺身用の小瓶を買う程度なので、甘辛い味のものは滅多に食べない。すき焼きなんて、何年振りだか思い出せないほど久しい。
調理中、併設のショッピングセンターから鮮やかな色の肉を持ってくるのが見えた、文句なし。底の丸い鉄鍋にたっぷり、薄切り肉と定番の野菜が割り下に溺れるようになっているのを救い出して、生卵に潜らせてごはん茶碗の上で食べる。次いで汁の沁みたごはんも食べる。時々漬物を間にはさむ。
この庶民向けのすき焼き、しみじみ妙な食べ物だなあと思った。甘い味も生卵の触感も苦手だ。それを自分で分かっているのに唐突に食べたくなったのだから、自分にとって魅力的な食べ物なんだと思う。
すき焼きといえば、小津安二郎監督のオリジナルすき焼きレシピは、カレー粉を入れるというものだったそうだ。今さっき食べたすき焼きの味にカレー粉を合わせてみて、正月早々かなり複雑な気分になっている。


投稿者 noz : January 1, 2004 04:40 PM
コメント

やっぱり、Akiさんちに食べに行けば良かった・・・。

Posted by: nOz : January 1, 2004 08:11 PM

あけましておめでとうございます。

私は今、すき焼きを終了したところです。我家は伝統的に大晦日の夕方、すき焼きを食するというのが習いですが、昨日は家族の集りが悪く、本日になってしまいました。

Posted by: AKi : January 1, 2004 08:06 PM
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